任意整理のメリットとデメリット教えます
利息や遅延損害金がカットされる任意整理
任意整理のメリットを挙げると、まず、これまで加算された利息と将来の利息がカットできることです。更に、多重債務者は返済を遅延してしまうことが多く、遅延損害金を加算されてしまうケースがありますが、任意整理をすれば、それもカットしてもらうことができます。返済は元金分だけになるので完済に必要な金額を下げられますし、完済までのスピードも早くできるのです。
また、返済に追われて精神的に苦しんでいる場合、弁護士や司法書士が任意整理の手続きを受諾してくれれば、その時点で必ず督促がストップするので、非常に楽になります。返済の再開は、貸金業者と弁護士、司法書士との話し合いが終わって以降なので、その間に生活の立て直しを図ることができます。
場合によっては貸金業者との交渉が決裂するというデメリットこそあるものの、弁護士、司法書士が代理人になり、貸金業者と直接話し合わずに済むのは大きなメリットです。
安定した収入がないと任意整理での完済は難しい
では、任意整理のデメリットにはどのようなものがあるかというと、返済を続けなくてはいけないという部分がもっとも大きいでしょう。
多重債務だと、任意整理の交渉がうまくいって元金のみになったとしても、その合計が数百万円になるということが珍しくありません。これだけのお金を分割で返済することになると、一ヶ月あたり10万円近く返さないといけないこともあります。場合によっては、任意整理前に返済に充てた金額とあまり変わらないということもあるのです。
そのため、任意整理を選んで貸金業者と和解した人でも、途中で返済できなくなってしまい、最終的に自己破産を選択するという人もいます。であれば、最初から自己破産しておいた方がよかったことになります。
収入や債務状況を正確に伝えて司法書士からアドバイスを受けよう
任意整理をする場合は、2年から5年程度の期間で元金を完済できるかどうかというのがポイントになります。正社員など、安定した仕事に就いていて、一人暮らしで生活費をかなり抑えられるという場合は成功確率が上がりますが、非正規雇用で収入が安定していない、あるいは家族を養う必要があり、生活費を極端に削ることができないという場合は、毎月の返済が続けられないこともあります。
なので、最初から任意整理しかないと決めつけて弁護士や司法書士に依頼するのでなく、どれぐらいの債務があって、自分の収入状況はどうなのかということをまとめてから、どの方法がいいのかを専門家と相談するといいでしょう。
専門家はこれまでの事例から、任意整理でいけるのか、自己破産の方が安全なのかというアドバイスをくれます。