多重債務で返済に困った時はどうする?
借金を借金で返すようになると破綻に近づく
多重債務になると、どうして返済が難しくなるのかというと、新たな借り入れができないようになるからです。借金を新たな借金で返済してしのごうとする場合、二番目の借金の限度額までは返せますが、限度額いっぱいまで借りてしまうとまた別の貸金業者から借りてということになります。
それが続くと、借入先が五社、六社となっていき、その状態で借り入れ審査を申し込んだとしても、信用情報会社のデータベースで借入件数と債務額はわかるので、融資を断られてしまいます。
どこからも借りられなくなれば、返済に充てるお金がなくなるので、その段階で一気に苦しくなってしまうというわけです。
この状況から脱するには収入を増やすというものがありますが、転職を試みたり、副業を始めたりというのはかなりリスクがあって、そううまくいくものではありません。
相談先は貸金業者ではなく弁護士や司法書士などの第三者に
では、返すのが難しい場合はどうすればいいのかというと、貸金業者に相談するのはあまり意味がありません。確かに、貸金業者のウェブサイトなどには、返済に困ったら相談してほしいということが書かれていますが、相談したからといって、返済を待ってくれるとか債務を減額してくれることはないからです。
では、貸金業者に相談をするとどういう対応をしてくれるのかというと、契約で決められた毎月の返済額を下げてくれることぐらいです。
ただ、これは元金を減らしてくれるのではなく、返済額を利息のみにしてもかまわないといったことなので、その月の返済はなんとか切り抜けられても翌月以降の苦しさはまったく変わりません。貸金業者が自発的に損をして債務者を助けることはないのです。なので、相談先は必ず第三者である弁護士か司法書士にしましょう。
現在の状況を見て最善の方法を提案してくれる
弁護士か司法書士に相談すると、現在の状況を確認した上でいくつかの提案をしてくれます。
債務額にもよりますが、収入状況が安定しておらず、今後も変わらないという場合は自己破産、収入が安定している場合は任意整理を提案される可能性が高いです。
もし、債務整理をすると決心したら、その時点で貸金業者への返済は一切考える必要はありません。仮に今日が返済期日で、一週間後に司法書士に債務整理の相談に行くと決めたら、期日は無視してもかまいません。相談後、債務整理をすることが決定すれば、司法書士はすぐに債権者に連絡を入れてくれるので、債権者は督促できなくなります。また、その時点での債務、そして契約は一度リセットされるので、わざわざ返済をする意味はないのです。