自己破産のメリットって何?
厳しい取り立てに悩まされずに済む
多重債務を抱えている人は、ある貸金業者からお金を借りて、別の業者に返済し、その業者からまたお金を借りるといったことを繰り返して生活を送っていることが多いです。すると、利息がどんどん増えていき、やがて契約しているすべてのクレジットカードやカードローンの利用限度額に達してしまい、お金が一切借りられなくなってしまいます。
このあと、待ち受けているのが貸金業者からの督促で、多重債務だと10社近くの業者から毎日電話をかけられることも珍しくなく、その対応で追い込まれてしまいます。
電話線を抜いても、今度は家に訪問してくるので気の休まるときがありません。しかし、弁護士か司法書士に代理人になってもらい、自己破産の手続きを開始するだけで督促を完全にやめさせることができます。貸金業者への対応に追われることなく、就職活動などにじっくりと取り組めるようになるのが自己破産の大きなメリットの一つです。
収入をすべて自分のことに使えて生活を再建できる
また、返済をすることがなんとかできていたとしても、返しているのは利息だけで元金をまったく減らすことができないというケースでも自己破産は有効です。
利息の返済と生活費で収入がなくなってしまうと、預貯金は一切できないことになります。食費を極限まで削り、ほしい物を自由に買うこともできず、生活に必要なものが壊れてしまっても買い換える余裕がないという、ぎりぎりの生活が一生続くことになるのです。
自己破産は、現在の状況では完済不可能な債務を抱えていれば認められる可能性があるので、普通の暮らしができていないのであれば弁護士、司法書士に相談すべきです。免責が認められれば、今まで貸金業者に支払っていた利息分のお金を生活に回すことができるようになります。
給料の差し押さえを回避できる
差し押さえを回避できるというのも自己破産のメリットです。
債権者による差し押さえには、銀行口座の差し押さえ、自宅に執行官が来て高価なものを差し押さえる動産執行などかありますが、仕事をしている債務者にとって一番問題になるのは、給料の差し押さえです。
給料が差し押さえられる場合、債務者の職場に対して裁判所から差し押さえ命令書が届きます。命令書が送られてきたら、会社は債務者である当該社員に支払う分と債権者に支払う分を分けないといけません。それが手間だから、あるいは差し押さえられるような人間を雇いたくないからといった理由で会社は当該社員を解雇することはできませんが、債務者からすれば、会社に多額の借金を背負っている事実を知られるのは苦しいものです。
免責できれば、自宅や銀行口座の預金は処分される可能性はありますが、給料はそのまま受け取れますし、破産の事実を会社に連絡されることもありません。